専任の取引主任者の設置
【せんにんのとりひきしゅにんしゃのせっち】
ってなんですか？

まず、その説明の前に不動産の取引が行われる場所ってどこだと思う？

取引が行われる場所ですか？
ん～それは、不動産会社の事務所かな～。
そこで契約とかするようなイメージがあります。

そうね。たいていの不動産取引は宅建業者(不動産会社)の
事務所で行われるわね。

それなら不動産取引の専門家である宅地建物取引主任者は
そこにいたほうがいいわよね？

そうでしょうね。不動産の取引しない所にいても仕方ないですし・・・。

そんなわけで、

「宅建業者(不動産会社)の事務所には宅建主任者が
いなければならない」

って、法律で決まっているのよ。


『宅建業者(不動産会社)は事務所ごとに『成年者である専任の宅建主任者』を置かなければならない。』
(宅建業法15条)

「成年者」である「専任」の？？
ただの宅建主任者ではダメなんですか？

いいところに気付いたわね。
そうなの。ただの宅建主任者じゃダメなのよ。

『成年である専任の宅建主任者』。これがポイントね。

「成年者」っていうと、あの成年者ですか？20歳以上っていう。

そうよ。20歳以上の人、または未成年でも婚姻(結婚)していれば
法律的には成年者となるわ。宅建の試験はだれでも受験できるので
試験に受かりさえすれば小学生でも宅建主任者にはなれるわ。

でも、未成年者じゃ、法律で事務所への設置を義務づけられている
専任の宅建主任者にはなれないの。

たしかに小学生とかじゃ不安ですしね・・・。

不安どうこうといより、民法などの法律から言って、
「未成年は法律的に責任ある判断ができる者とはみなされていない」のよ。そのあたりに理由があるんじゃないかしら？

なるほど～。

あとは「専任」についてよね。これは簡単にいえば、
他の事務所とかけもちしちゃダメってことなのよ。

たとえば、ゆーいちが主任者だとして、事務所が３つあったとするわよね。
A事務所の主任者はゆーいち、B事務所の主任者もゆーいち、C事務所の
主任者もゆーいち・・・なーんてことになったらどう？

ちょっとまってください、いくらがんばっても3つの事務所の仕事を
いっぺんにできませんよ！

そうなのよ、こんな登録をしたとしても実際はきちんと業務が
できるわけないのよ。だからこんな登録をしちゃダメってこと。

一人が登録できるのは一つの事務所だけ。
それが「専任」の意味ね。

なるほどぉ～。よくわかりました。

・宅建業者(不動産会社)は事務所ごとに『成年者である専任の宅建主任者』を
置かなければならない。(宅建業法15条)

・「成年者」とは20歳以上の人、または未成年でも婚姻(結婚)している人。

・「専任」とは他の事務所とかけもちしていないことを指す。