※8種類制限の6番目のルールです。
手付金等の保全【てつけきんとうのほぜん】 って何ですか?
これは"8種類制限"のなかの一つ、 つまり宅建業者(不動産会社)が普通の人と取引するときに 適用されるルールの一つね。
宅建業者は自ら売主となる売買契約において、 手付金等の保全措置を講じた後でなくては、 手付金等を受領してはならない。
※ただし、以下の場合は例外的に受領できる。 ・買い主が物件の登記を備えた場合。 ・手付金等の額がそれほど高くない場合。 (宅建業法41条)
手付金の保全措置・・・ですか?
そう、これはね普通のお客さんが手付金の払い損に ならないようにって作られた制度なのよ。
手付金の払い損になるってどういう場合のことですか?
これはね、手付金を払った後に宅建業者が倒産しちゃった場合や、 手付金を持ち逃げされちゃった場合よね。
わわわ、そんなことになったら大変ですねえ。
そう、不動産物件って金額が大きいわよね。その為手付金の額も 大きくなりがちなのよ。それなのにもし宅建業者側でなにか トラブルがあった場合に、契約は成立していないのに手付金は 帰ってこないなんて事態になったら大変よね?
そうですね、手付金と言っても数十万円~数百万円になるでしょうからね。
そこで、そのような万が一のトラブルに備えておきましょう っていうのが今回のルールなのよ。
なるほど、保全措置を事前に取っておけば万が一の場合も安心できますね。
そうなのよ。ただ、注意しなければいけないのは 保全措置が必要ない場合があるってことね。
保全措置が必要ない?それは普通のお客さんが万が一の場合には 損害を受けてしまってもいいってことですか?
そうじゃないわ。この例外措置はね、そもそもお客さんの受ける損害が 万が一の場合でもあまりないだろうって考えられる場合なのよ。
損害があまりない場合ですか?
そうよ。例えばね、 ・買い主が物件の登記を備えた場合。
この場合、物件の所有権はすでに買い主に移っているんだから、 万が一宅建業者が契約成立前に倒産したとしても物件の持ち主としての 権利を主張できるのよ。だから万が一手付金が帰ってこなくても それほどリスクはないと思わない?
確かにそうですね。
もうひとつは、 手付金の金額が、物件代金と比較してそれほど高くない場合。 この場合、少ない金額のためにわざわざ保全措置を取るのは 効率が悪いし、そもそも手付金の額がそれほど高くもないなら 万が一全額帰ってこなくなっても受ける損害はそれほど大きくないわよね。
なるほど。だから保全措置が必要ないってことなんですね。
そうそう。話をまとめると、宅建業者は万が一に備えて 手付金を受け取る前に手付金の保全措置を取らなければならない、 だけど例外的に買い主が登記を備えた場合と手付金の金額が 高くない場合は手付金の保全措置は不要ってことね。
はーい、わかりました。
・契約が成立しなかったのに、手付金が帰ってこないという事態を 防ぐために、宅建業者には手付金等の保全措置を取ることが 義務付けられています。 ・ただし、買い主が登記の移転を受けた場合と、手付金等の金額が 物件代金に比べて少ない場合はリスクが低いと判断され、 手付金等の保全措置が不要になります。